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Essay | 教えて環境ホルモン

ここ数年環境問題が取りざたされていますねー。10年前だと名刺に「再生紙使用」なんて書いてある名刺は、1000枚に1枚ぐらいの比率だったけど、最近は、ちょっと気の利いた会社だと必ず再生紙使用だもんね。手元の名刺入れを見ても、大企業はみんな再生紙だな。ちょっと気が利くとケナフとかね。ま、猫も杓子も環境問題ってやつですか?

ちなみに僕も再生紙ですよ。ただね、究極の再生紙です。紙の再生過程を知ると分かるけど、あれって紙の値段も高いけど、環境負荷も結構高いのよ。バージンパルプを使うより高いかもしんない(この辺不確かです)。ま、いずれにせよ、再生プロセスの中で、古紙も漂白するんですね。当然、塩素系の漂白剤が主流だから、またまた当然、塩素の慣れの果て、ダイオキシン原料もできちゃう(はず)。それに、古紙回収コストも結構かかるよね。トラックで集めればガソリン(=化石燃料)も使うしさ。再生紙運動ってさ、貴重な森林資源の無駄遣いを止めましょう!ってことでしょ?だけど、森林は人為的に再生可能だけど(植えればいいんだしね)、石油とかの化石燃料は、もっと貴重なんじゃないの?再生不可だしさ(厳密には、時間が掛かりすぎるだけだけど)。

んで、僕の再生紙ね。これは、会社に送ってきた大きな封筒の裏紙を使うんですね。え?貧乏臭い?それを言っちゃおしまいでしょー、環境問題は。それは置いといて・・・・。封筒の裏紙を使うんですね。原稿はワープロで打てば、今のワープロは印字性能がいいからねー、奇麗な名刺が出来上がります。デザインも想いのまま。んで、奇麗にカットすれば、A4の封筒から20枚の名刺ができますよ。こうすれば、漂白剤も使わないから環境負荷がない。シュレッダーの電気も要らない、事業系可燃ゴミも減る。パンクしそうな焼却場も十分な余裕ができて、市長さんも大喜び。おまけに税金の無駄遣いも減って、税金も安くなる!そしてそして・・・・(こういうのを風が吹けば桶屋が儲かるといいます(笑))。ま、現実的には名刺代(20枚で200円から500円ぐらいかな?)の経費も削減できるぐらいの理屈で十分だけど、いいことづくめなんですねー。どお?いいと思いません?確かに厳密にはプリンターの電気代とかトナー代ってのは必要ですよ。でも、普通の再生紙を使うより、断然安いはず。リサイクルの基本ってのは、まずは、できるだけ使用時間を長くすること(使えるモノを捨てて新製品に飛びつかないとかね)、そして変換することなしにリユースすること(壊れた冷蔵庫を倉庫の小物入れに使うとかね)。これですよね。んで、仕事をしてると封筒って結構溜まるじゃないですか?それを生かさない手はないですよね。

ちなみにこれは僕のオリジナルアイデアではありません。僕がこれを知ったのは、福岡大学の資源循環環境制御システム研究所(エコロジーをやる研究所にしては、エネルギーを使う名前だなぁ)教授の長田純夫先生の名刺をもらって知りました。まとりあえず(c)福大長田教授ってことで。

さて、前置きが長くなってしまいました。今回は環境ホルモンの話でした。ま、環境つながりの前振りということでお許しいただいて・・・。

さて、環境ホルモンといえばダイオキシンですね。ところで、皆さんダイオキシンって一つの物質って思ってませんでした?少なくとも僕はそう思っていました。あれはダイオキシン類ってのがホントなんですね。419種類のダイオキシン類が知られているそうです。んで、それぞれ毒性が強いの弱いのがあって、その差は1万倍ぐらいのひらきがあるようです。奥さん!今日はこれ覚えて帰ってね。「ダイオキシンには強いの弱いのいろいろある」ってこと。

さらに、環境ホルモンってのは、ダイオキシン類だけではなくて、ほかにもいろいろあるようです。DDTとかの農薬。ほら、戦後すぐ虱のたかった子供の頭に進駐軍がシュッシュッて粉をまいていた白黒の映像見たことあるでしょ?それからビスフェノールAとかスチレンとかの樹脂原料。ドラえもんとかピカチュウの絵とか入った子供用のプラスチックのお茶碗ってあるよね。あれあれ。てな具合に上げたらきりがないし、はっきり言って文学部の僕にはそこまで覚える必要はないです(笑)。んで、この文章を読む貴方にも(こりゃ失礼?)。

で、こいつらがどんな悪さをするかというと。簡単に言うと、体の中にあるホルモンに似た働きをするらしいんですね。ホルモンって微妙なモンだから、多すぎてもいけないし、少なくてもいけないし、とにかく身体に良くないらしいです。これはいろいろな研究で明らかにされていて、例えば、メスの貝がオスになっちゃうとか、逆にメスが産まれやすくなるとか、奇形の子供が生れちゃうとかいろいろと大変な問題を起こすらしい。

ところがね、これが大事なことだけれど、そういう身体に悪さをする研究結果が出ているので、事実には違いないんだけど、じゃ、即、我々の子供がみんなそうなっちゃかと言うと、そうじゃないんですね。確かに僕らの周りは環境ホルモンに汚染されている。これは事実。だけどそれが即、死を招くような大量にはないということ。それにね、大阪府のお母さんの母乳に含まれる環境ホルモンってのは、昭和48年から毎年調査されているんだけど、だんだん減ってるんだよねー、これが。25年で半分に減っている。あれれ?環境ホルモンって最近増えてるんじゃなかったの?ま、これがすべての状況ではないけれどさ。これはちょっと横道だったな。

さてさて、もう一つビックリな話(少なくとも僕は驚いた)。環境ホルモンってのは、ホルモンのニセモノなのね。てことはもちろんホンモノがあるわけですよ。たとえば、テストステロン(男性ホルモンね)とかエストラジオール(女性ホルモン)とかね。高校の保健の授業で習ったでしょ?で、このホンモノホルモンとニセモノホルモンでは、体内での効果の強さは、やっぱりホンモノの方が強いんですね。何倍~何十倍の差があるみたいです。で、またまたビックリなのは、ある浄水場の水を調べると、ニセモノよりホンモノのホルモンの方が入ってる量が多い調査もあるらしいんですよ。由来は、畜産とかの血液の垂れ流しだったり、尿中に排泄されたホルモンだったりするみたいです。

てことはですよ。いいですかお客さん!環境ホルモンより影響力の強い、ホンモノホルモンが大量に(と、言っても超微量の環境ホルモンより多いだけで、即、病気を起こすような量では無いんですけどね)体内に入っている可能性もあるわけですよ。

つまり、環境ホルモンが身体に影響を与えるのは事実だけれど、我々の周りにはそんなに大量の環境ホルモンがあるわけではないということ。そして、それよりももっと強力なホンモノホルモンが身体に入っている可能性もある、ということなんですね。だから、科学的に厳密には、環境ホルモン問題は、環境ホルモン説(仮説)ってことであって、環境ホルモンが我々の身体を、子供たちの身体を日々確実に蝕んでいるというのは、言い過ぎなんですね。でも、僕がテレビや新聞で見ている限りにおいてのイメージでは、だんだんと日本中がダイオキシン類で汚染されて行っていて、どんどん身体が悪くなっているような気がしてたもんなぁ。こんなリスキーな世の中で結婚して子供を作るってのは罪だよなぁ、とか思ってたもんね。

と、いうわけで、馬鹿な私は、まんまとマスコミの煽りにひっかかっていたわけです(笑)。ちぇ。だからといって、じゃ、明日から塩化ビニールをバンバン裏庭で焼きましょうとか、言ってる訳ではありませんよ。農薬は身体の栄養になるとか言ってる訳でもありませんよ。ただ、冷静な態度で事態を見ることが大事だと思ったわけですね。

僕もすでに36歳になってしまいましたが、世の中ってのは知らないことがたくさんあるんですねー。んで、一日長生きすれば、少しづついろんなことを知って、嬉しいことがあるんですね。あ、ちなみに僕は1日4箱の超ヘビースモーカーですけど、タバコの煙にはベンツピレンっていう環境ホルモンが入っているそうです。このまま吸いつづけてメス化したら、結婚しなくても済むのかなぁ。んなわきゃぁないよな(笑)。

※本稿は、2000年11月18日(土)福岡大学公開講座-第17回薬学部卒後教育講座-環境ホルモンの生体に対する影響を聴講した内容をもとに執筆いたしました。内容については、事実および配布資料に基づき構成しておりますが、一部不適切な表現や事実誤認がある場合は、ご容赦ください。筆者。

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