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サイエンス・デザイナーDr.KINOKOYAのAcademic Tips

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Book | 卒業

毎月行っている大学の研究室の院生が、齢29歳にして今生の人生を卒業していきました。来週の19日が大学院の卒業式で、そこで博士号を授与されることが決まって行ったのに、大学で助手として働くことも決定していたのに。
前回こっちに来た2月22日の夜(つまり2週間ほど前)、以前みんなと良く行った近所の居酒屋で久しぶりに研究室の連中と楽しく飲み、「昔はよくみんなとこうやって飲んだね」と楽しく話し、「毎回、毎回来るたびに飲もうね、と言ってたけど叶わなかった願いが、やっと叶ったね」と隣通しに座って、楽しく飲んだばかりでした。
ヤツは東京に出るはずが、間違えて反対ホームの新幹線に乗って新潟に行っちゃうような逸話の持ち主だったので、卒業式のバスを乗り間違えたのかもね。
慌てもんだなぁマッタく(涙)。


彼は僕にとってはちょっと特別な存在でした。それは彼の醸し出す空気が、私の実の弟に似ていたからです。彼にも「キミは弟に似てるんだよね」と伝えてもいました。やや心に弱いところがあって、それを押し返すようにトンガった部分が似ていました。
そんな彼とたまに酒を飲むのが好きでした。
あまり多くは語らないけれど、少なくとも私に向ける彼の言葉には、真面目さと素直さが疑いなく受け取れる確かさがありました。
ちょっとしたイラストレーターのテクニックを教えて、その結果に「おお、すげー、ありがとうございます」と礼儀正しく彼に言われると、弟に褒められているみたいで嬉しくなったものでした。


一方で実の弟とは、何故かソリが合いませんでした。私はきっかけづくりにと、あれやこれや彼に会話や仕事のきっかけをメールで投げかけていたものの(直接言葉で言うのは怖くてできなかったから)、毎度毎度、ぶっきらぼうというか、暖簾に腕押しのような脱力感を味あわされていました。決して弟は私のことを嫌ってはいないのだろうけど、それを確信できるような、安心感は決して得られませんでした。もちろん今も。だから今はでは、メールで呼び掛けることもほとんしなくなりました。


そんな弟との不安定な関係の中で、毎月、研究室で交わす彼とのちょっとした会話は(彼は饒舌な方ではないので、ホントちょっとした)、求めている弟との良好なコミュニケーションのような感覚を、心のどこかで感じていたのだと思います。


そんな彼が人生を卒業してしまった。
生きていればどこかで会えるという怠慢が、好きな人とのコミュニケーションを縁遠くしたりしますが、もう彼とは会えないと思うと、ちょっと平常心ではいられないカンジです。


思えば、昨年から今年にかけて、いろんな人との別れがありました。
昨年の秋には、私の高校時代の書道の先生が亡くなり、
山よりも大きく

昨年の年末には、尊敬するなすび農家ののおやじさんが亡くなった。
そういえば、内輪のメールマガジンのメンバーの京都のおっちゃんも、昨年亡くなったんだったな。

1年の間に4人も親しい人が亡くなった。



そういう年齢になったのだろうか?

いやいや、29歳で卒業は早いですよM君。
でも卒業ということは、新しい世界に旅立ったわけだよね。そういえば君が就職したそっちの世界には、君が好きだった日本酒の大先生、上原先生がいらっしゃるよ。そうそう、君の机の棚に置いてあった、日本酒の新書を書いた先生だよ。純米酒好きの君にはたまらない飲み相手だと思うよ。

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そうそうこれこれ。

うーん、亡くなった友に語りかける文体は、ケツが痒くなるなぁw。ミステリー&歴史小説好きな君には、ミスディレクションやったね。

というわけで客観文体に戻すw。

正直言って彼の死は、まったく予想していなかっただけに、悲しさが倍増している。というよりも、学位を取って、就職も決定し、これから自分のカラーを確立して、さらには後進の指導にもこぎ出すはずだった彼の人生が無念でならない。
素直で、礼儀正しくて、利他的な行動ができる善良な魂ほど、天国に親和性が高いのかもしれない。

「死ぬ死ぬ」とずっと言ってきた僕が、ここまで馬齢を重ね、前途ある若者が黄泉へと旅立つ。
この理不尽が人生ということか。

いやきっと彼の卒業は、彼の人生にとって必然だったのだろう。


今日彼のご両親とご家族が、彼が5年間生活した研究室を見学に来た。それを聞いていた私は、研究室で撮ってきた写真の中から、彼が写っているものを探してCDに焼き付けていた。その中には、あまり笑わない彼が笑う珍しい写真も入っている。それらの写真を、彼が使っていたパソコンでご両親が見ている時、笑っている彼の顔を見つけて、涙を浮かべながら笑ったお父さんとお母さんの顔が頭から離れない。
去年神戸の学会で彼がポスター賞を受賞した廊下に貼ってあるポスター発表を見ながら「なかなかセンスのあるデザインだね」と優しく話している声が耳から離れない。

考えてみればあたりまえだけれど、あまり多くを語らない彼のご両親が知らない彼のことを僕らは知っていたのだということが、何故か彼への感謝の気持ちに感じた。


しかし、たった4年、しかも月に1週間しか合わなかった彼の死が、私にこんなにも涙を流させるのは、何よりも彼がイイ奴だったってことか。

さよなら!


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