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サイエンス・デザイナーDr.KINOKOYAのAcademic Tips

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Academic writing | シリアル値使ってますか?

うちの秘書のお嬢ちゃんがエクセルで作った業績一覧を拝読。
つらつらと眺めていたら、ふと日付に目が行った。

2009.10.12

うむ。2009年10月12日の記事ですね・・・。
ん?
テン?
おー、セルの書式設定で、ユーザー設定を使ったのね。なかなかできる。

うん?
書式が変わらない。

なぬーー!なんとテキストで入力してある!がくがくブルブル・・・・


そこにあったのは日付ではあったのだが、日付書式で入力されていない文字列であった。
「並べ替えはできますよ」
秘書のお嬢ちゃんは、私が驚愕していることに気付いていない。
いや確かに、並べ替えには問題なかろう。しかし、日付書式で書くべきところをただのテキストで書いている違和感を如何に彼女に伝えるべきか。これは難しい教育問題だ。

えーっと、エクセルにおいて日付はですね、シリアル値という一意の数値を日付書式で任意の形式にして表示してですね・・・。説明を試みるものの、何が問題かを伝達できないもどかしさ。
確かに記入上困りはしない。困りはしないのだが、何かが違う。

続けて、うちの大学院生に「シリアル値を知っているか」と問うてみた。なんと、彼女も知らなかった。データの取りまとめでそれなりにエクセルも使ってきたのに。本棚には、エクセルの便利ワザ集の本もあるというのに。
彼女はちなみに日付については、091012と数値で記入していた。ガクガクブルブル。
確かに日付を表すには、必要十分だ。しかし、何かが違う。

そう、問題は、日付、時間の計算が容易かどうかだ。それが、日付をシリアル値で入力する、最大のメリットだ。確かに、今の彼女の研究内容では、日付の計算は必要なかろう。しかしそれが必要になった時に、彼女は驚愕することであろう。
ということで、練習問題。

091012 は 101012 の何日前か。

計算式は単純だ、101012 - 091012

しかし、計算結果は異なる。
単なる数値の結果は、 10,000。

シリアル値に基づく日付形式だと、365。

日付計算では、もちろん後者が正解である。
ちなみに、秘書のお嬢ちゃんのテキスト形式だと、#VALUE!エラーだ(笑)。

やはり、日付形式は、シリアル値で入力すべきである。
ちなみに、テキスト形式や、数値形式だと、20091035=2009年10月35日という存在しない日付も存在してしまう。シリアル値ではそれは入力できない。(正確には、シリアル値に変換されない)

ちなみに、日付形式で入力するときの、キー入力は、2009/10/12 あるいは、2009-10-12 と入力する。

「基本を忠実に覚える」

あらゆる習い事、スキルの習得はまずこれが先決だ。
ゆとり教育だか、個性教育だか知らないが、ある年代から、無批判なオリジナリティ幻想が蔓延しているように思える。一見それは礼賛すべき価値観だが、少なくとも、この事例においてそれは、断じてオリジナリティではない。ただの我流だ。

「バットをさかさまに持って球を打って何が悪い?」
確かに野球において、バットをさかさまに持って打ってはいけない、とはどこのルールブックにも書いてはいない。しかし、実際、さかさまにバットを持って球を打つプロ野球選手は存在しない。それは、バットという棒状の物体で飛んでくる球を打つという行為において、さかさまに持って打つことは、その機能を最大限に発揮しない、すなわち、飛距離が出ないからだ。野球の基本を知らない幼児で、バットをさかさまに持って打つ幼児は意外に多い。うちの息子もたまにやる。しかし、野球というゲームを理解して、球を遠くに飛ばすことが重要である、とゲームの目的を理解し、バットの機能を一端体得すると、その行為は消失する。非合理だからだ。幼児であっても非合理に安住することは快感ではない。面白くないのだ。

我流ではない、基本動作には、経験的に蓄積された合理性が存在する。オリジナリティとは、基本において実現される結果を凌駕する行為の改良によって評価されるべきである。これを理解している人間は意外に少ないのかもしれない。

それは、私の眼には、個性を礼賛するあまり、基本が内在する歴史性と合理性に対する敬意の欠如に見える。

前のブログで触れた、漢字学の泰斗、白川静先生は、漢字の源流である甲骨文、金文を徹底的に解析し、白川文字学と言われる、漢字大系を完成した。その基本的な視座は、漢字という文化が辿った歴史を源流まで辿り、当時の漢字を取り巻く生活世界に想像力を膨らませ、漢字の基本を徹底的に考究するという姿勢である。
基本はあらゆる行為の土台であり、強固な土台があって初めて、高くて堅牢な構造物を構築することができるのである。

野菜の栽培において、何が基本か?それは土づくりである。が、しかし、戦後の農業技術の視線は、土と地下に張り巡る根に向かず、あるいは、そこにうごめく微生物の世界に思いを馳せず、地上部の短期的な効率化に向かった。それが、結果として、ひ弱な作物を作り、防除という思想と技術を生み出し、そして、個性のない、マズい野菜を市場に送り出した。それが、長い年月をかけて、農業の弱体化を招来したと私には思える。ここにも、基本を疎かにする軽薄な技術思想が見え隠れしてはいないだろうか。

エクセルの日付入力は他愛もない技術ではある。しかし、その基本をおろそかにする思想、ものの考え方には、技術習得に関する、甘い見通しが見え隠れする。それは、極論すれば、人生に対する甘い見通しにも必ずつながっていくものではないか。

学生を指導していると、思いもよらぬ、間違いを発見することがたまにある。その多くは、本来辿るべき、技術習得の基本ステップを理解、あるいは、教育されていないことから来るものが多い。
いや、私は何も難しいことを言っているわけではない。単純に、まずは基本ワザを覚えるのが、最も時間と労力の節約につながりますよということだ。そこで節約できた時間と労力は、さらに新しい技術習得や改良に回すことができますよ、と極めて功利的かつ合理的な話をしているだけである。
そういう意外な間違い、あなたはしていませんか?

ところで、シリアル値を使って、091012 とエクセルに表示させるにはどうしたらよいかわかりますか?では、09.10.12と表示させるにはどうしたらよいかわかりますか?

宿題です(笑)。


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