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サイエンス・デザイナーDr.KINOKOYAのAcademic Tips

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Essay | 祭囃子が聞こえる

その日、人吉は記録的な大雪だった。交通機関は麻痺し、あちこちで慣れない雪のせいで渋滞や事故が相次いだ。

こんな日に芝居を見ている場合なのだろうか。

仲代達矢が主宰する「無名塾」の「いのちぼうにふろう物語」8年ぶりの再演である。

当日は前日の公演地である都城からの道路が悉く寸断され、役者の到着は開演1時間前だった。当然リハーサルもない。客席はと言えば、これまた、いつもの3分の1以下。まるで人気のない場末の無名芝居の如くである。

幕が開く。

この芝居は、山本周五郎の原作を、仲代とともに無名塾を支えてきた隆巴(たか・ともえ)が脚本化したもの。彼女の遺作である。江戸深川の「島」と呼ばれる土地で無法者が集まる居酒屋「安楽亭」が舞台。獣のように人の情を解さず、ただただ己の欲と業のみによって生きる人間たちに、ふと芽生える人情を描く。

舞台は薄氷を踏むような緊張感を湛えながら、最後の一瞬を迎える。


70歳を超えた仲代の声に往時の張りや力強さが失われていることは否めない。が、しかし、一瞬見せる目の輝きには、数多くの舞台を踏んできた年輪を持つものだけが放つ威力を漫々と湛えていた。

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