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サイエンス・デザイナーDr.KINOKOYAのAcademic Tips

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Diary | あれから

今となっては、どうやってその店に辿り着いたのかさえ覚えていない。いや経緯は覚えている。教授がこのあたりに以前行った店があると言ったのが発端だ。

僕らは赤坂東急ホテルに泊っていた。取引先との会食を終え、教授が一杯飲みたいと言い出したのだ。店の名前も覚えていないのだが、確か果物の名前だという。赤坂は大きな街ではないので、歩けば思い出すという。まずは目抜き通りに出て、TBSに向かって歩き出す。路地を入っていったことは覚えているという。ここじゃない。ここでもない。うん?いや違う。どんどん通りを進むと、あっという間にTBSに着いた。TBSを横目に、今度は別の通りを戻る。かれこれ1時間近く歩いているような気がする。あきらめかけてホテルへ通じる路地を曲がった。と、ちょっと待ってっとビルに入っていく。何かひらめくものがあったのか。店の名前は「かりん」。確かに果物の名前だ。エレベーターを降り、ドアを開けると「あ~先生いらっしゃ~い!」。ホテルから最も近かった通りにその店はあった。店はこじんまりとした、スナックというかミニクラブという風情だった。女性はチーママ他3~4名ばかりだったと記憶している。

最初についた女の子は、確か21歳ぐらいだったか。原宿に自宅があってそこまで歩いて帰るという。中枢に異常があって眠れないという。ひとしきり向精神薬や抗不安薬の話をした。次についた女性は、見たところ同じ年ぐらいに見えた。メールアドレスを交換すると、アドレスに630506の数字が。1963年の5月6日生まれだった。どうしてわかるのぉ~?という彼女に、「だってまんまじゃん?」と笑った。いつのまにか話は彼氏の話になっていて、もう1ヶ月も会っていないという。聞けば不倫。定期入れに写真を持っていたので見せてもらう。定期入れに不倫の彼氏の写真を入れるというのもアレだと思ったが、年齢のワリには可愛い女だとも思った。彼女を左に、自分はお気に入りの女女の子を右において話をしていた教授は、左手だけは彼女のケツを触っていた。

何人かが入れ替わりながら飲んでいると、歳の近いさっきの女性がカラオケを歌いはじめた。曲は、カーペンターズの「Close to you」。俺の大好きな曲だ。しばしその歌声に耳を傾ける。この曲の、「On the day that you were born~」のくだりは、スウィィングぎみの付点八分音符の譜割が意外と難しく、カラオケできちんと歌っている女を見たのは初めてだ。かなり歌いこんでいるようで、完璧な出来だった。というよりも声の出し方が素人ではなさそうだった。いくつかの客のテーブルを周り戻ってきた彼女に歌の感想を述べ、ただものじゃないね?と尋ねると、横に座っていたチーママが、彼女の母親はシャンソン歌手であることを告げた。彼女自身も若いとき舞台女優を目指して劇団に在籍し、当然ボイストレーニングも受けていたようで、歌の上手さの意味に合点が行った。もう少し彼女と話をしてみたいと思っていたが、終電が近づいてきたらしく、話の途中で彼女は席を立った。私服に着替えた彼女が、去り際にこちらに向けた視線に後ろ髪が引かれる思いがした。

俺は、夕方の赤坂にもう一度来ていた。昨日の彼女と食事の約束をしたからだ。夜は西麻布のライブハウスで友達のピアノを聞く予定だったので同伴はできないが、飯だけでもとなったのだ。彼女に勧められた和食の店に入る。ビールを飲みながら、彼女のこれまでの人生を聞いた。学生時代のこと、彼氏のこと、両親のこと。とても明るいのだが、どことなく心の底に不安を抱えているのが見え隠れしていた。その割には繊細で病弱なイメージはなく、白いご飯が大好きなのと言って、しっかりと飯を食っている姿が好印象だった。

支払を済ませ、地下鉄赤坂駅の前でタクシーを拾い、彼女は店へ、俺は西麻布へと向かった。外は雨が降っていたので、傘を持っていなかったからだったのだが、ちょうど六本木の全日空ホテルの前を通り過ぎた時、タクシーのラジオから「Close to you」が流れてきた。






と、妙にリアルな夢を見たような気がする。

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