Dr.KINOKOYA Laboratory since 2004

サイエンス・デザイナーDr.KINOKOYAのAcademic Tips

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

スポンサー広告 | スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | --:-- | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

Diary | 見える

ここのところ雨が降っている。この前の夕方、雨の中走っていたら、全く前が見えない。ワイパーがうっすらと窓にグラデーションをつくり、見事に対向車のライトを乱反射してくれている。友人には、ワイパー換えたら?とか、言われていたのだが、今ひとつピンと来ていなかった。

本日、ふとした拍子でイエローハットに寄り、交換をしてみた。そういえば、この車(中古車)が来て1年半。走行距離にして約5万キロ乗っている。普通の人よりは使用量も多いのだろうなぁ。

しかし、肉眼で見る限り、ワイパーのゴムに不具合は見つけられない。半信半疑のまま、1本650円程度の安いやつを2本購入。早速、交換してみた。ちなみに、ワイパーって、左右長さが違うのねw。それさえも知らなかったきのこやである。装着後、雨の中を走り出す。

うぉ~~~、こいつはすげー。見事に雨を拭き取っている。これほどにワイパーゴムの劣化が影響していようとはゆめゆめ思わなかった。おかげで視界良好。安全運転である。たかが650円なれど、すごい威力である。

にしてもだ、素人の肉眼がいかに役に立たないものか。見た目は、同じゴムなのに。いや、もちろんプロが見れば違いが分かるのだろうが。素人判断の浅はかさをまたも思い知った次第である。私には見えないものがある。という自覚は必要だ。

と、同時に、思い出したことがある。これって分析の世界と似ているなぁ、と。分析とは、見えないものを可視化する作業であると言ってよい。肉眼では見えないものを、何らかの形で変換して、目に見えるようにする。その量を測れば定量分析だし、状態を見れば、定性分析である。そのとき思い出したのは、TLCである。薄層クロマトグラフィ。小学校の理科で習った、ペーパークロマトグラフのちょっと高級なやつである。別に高価な機械が必要なわけではなくて、ガラス板に白い塗料が塗ってあるだけの単純なものだ。これが、例えば、ある物質の中の、アミノ酸にどんなものが入っているのか?ということを、大雑把に調べたりすることに使える。原理は簡単。調べたい物質が入っている液を、端っこに1滴落として、水だとか、アルコールだとかに、一方の端を浸してやれば、入っている物質の分子量に応じて、いくつかのスポットが分かれて出てくる。その距離を測って、物質の推定をするのだ。ま、いわゆるガスクロだの、液クロだのは、これの精巧なバージョンというわけだ。

無色透明(とは限らないが)のシミが、いくつかのスポットに分かれていく様は、まさに、見えなかった、ワイパーのゴムのゆがみが、雨粒の軌跡によって判読可能になる様と似ている。

それは、「あなたの肉眼では見えないものが、実は存在する」ということを教えてくれる。現象学ではなく実存的存在論とでも言おうか。言い換えれば、「あなたの知覚は、限定的であり、それでわかった気になってはいけない」ということだ。

かつて、そして今でも、きのこやは、快楽主義者である。快不快、好悪、善悪という自分の知覚によって物事の判断をしている。しかし、世界は、己の知覚を超えたところに、見えないものが存在しているということも事実であり、このワイパーの一件は、それを如実に物語っていた。

要するに、謙虚にね、ってことか?w

スポンサーサイト

| Diary | 03:48 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://cj01.blog95.fc2.com/tb.php/844-bb286f8a

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。