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サイエンス・デザイナーDr.KINOKOYAのAcademic Tips

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Diary | 数字の意味

また、行ってきましたよ。血圧は上が85、下が20でした。平均25ぐらい。

心拍数は120ぐらい。

心拍数が120ということは、安静の状態が60~70程度なので、2倍動いているということ。

2000回転時速40キロぐらいで街中を流しているのと、4000回転で時速120キロぐらい出しているのと同じカンジですね(ちなみに私のレビンの場合)。

にもかかわらず、血圧が正常値の6割しかないということは、心臓の血液吐出量が少ないということだ。血圧を必死で維持しようと心臓がマックスで動いているのがわかる。

が、ここまではなんとなく、素人でも想像でわかるのだが、この数値が、具体的に生き物としての人間がどういう状態であるのかは、正直言ってわからない。まだまだ余裕があるのか、それとも、もう終りに近いのか。

ま、家族に泊まってください、と言われるぐらいだから、ぎりぎりなんだろうけどさ。

例えば、新聞の折込チラシの反応率が0.1%だったと聞いたとき、「すくねー!」と思うか、「お!がんばったじゃん?」と思うかは経験と知識による。ま、後者がたぶん正解なのだが、この、数字の意味が解釈できるかどうかがプロとアマチュアの違いなんだろうね。医療においては、きのこやしょせん素人ですわ。

しかし、今回のようなターミナルケアの場面に遭遇した場合、素人ですから、とは言っていられない。

特に、こちらが何もわからないと思った瞬間、医者はインフォームドコンセントをしないだろう。

だって、「小さい機械が大きい機械に変わった」だもの。

その機械が変わるということ=自発呼吸が止まるということ=延命治療が始まったということ=ほぼ、無用な医療であるということ=税金の無駄遣い&無駄な支出=医者の小銭稼ぎ、が瞬時にわからなければ、医者に「どうしますか?」と言われたときに対応できない。

「自発呼吸が止まりました。このまま数時間放置すれば、自然に心臓が止まり、臨終となります。ここから蘇生する可能性は、ほぼゼロに等しいです。一応、昇圧剤&人工呼吸器で生命を維持することはできますが、これは高額医療費の部類になりまして、1日当たり機器使用量が〇〇円、身体に装着する送管技術料が××円で、延命した日数に係るベッド料云々かんぬんを含めまして、およそこのくらい見積が出ます。病院としては、無駄とは思いますが、お使いになった方が、利益も上がりますので、喜ばしいのですが、いかがいたしますか?ご購入いただけますか?」

とは、聞いてくれないわけで、こちら側に知識がないと、場合によってはムダ金を払わされるわけだ。

ま、銭金に還元するのはわかりやすいから書いているわけで、不謹慎だが、実際問題、患者の苦痛の観点からも、意味のあるものとは思えないのだ。

何よりも、見ているこちらが辛いということは、恐らくは血のつながった、そこに横たわる血縁も同じように感じるのではないか?という、ある種の確からしさがあるわけで、その創造力も必要とされる。

あ、話がズレた。要するに、一言で(あるいはデータで)、その言外に語られている事実と文脈と状況を把握して、決断する必要に迫られるのだが、これはプロでもなかなか難しい問題だ。

にも、かかわらず、その決断を迫られるわけで、これからの時代。個人の知識がモノを言う、というか不可欠な時代になったということだ。

今、思い出した。以前、裁判の話を書いたときも、「知識の劣った者が負ける。それが裁判だ」と書いた。正義ではなく、知識が雌雄を決する。世知辛い世の中だが、これが現実である。

ターミナルケアは、別に医者との戦いではないが、内なる自己の生き様との戦いではある。

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